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Photo: Beneficiaries of the Annabhagya Yojana standing in a queue outside the public distribution shop to collect the rice. Credit: Manjushree Naik.

インド・カルナタカ州があらたな飢餓対策へ

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【マニパル(インド)IDN=マンジュシュリー・ナイク】

インドで穀物不足の兆しが現れる中、インド南部のカルナタカ州政府が、穀物購入資金を貧困層に提供することで選挙公約を果たすあらたなアプローチに踏み出そうとしている。

カルナタカ州政府の最も野心的なプログラムアナバギャ・ヨジャナは、家族の貧困レベルを示すBPL(アントヨダヤ・カードとも呼ばれる)を持っている恵まれない人々に、毎月一人当たり10キログラムの米を支給するものである。

アナバギャ制度はインド国民会議派の公約であり、2023年5月の州選挙で勝利を収めると、今度はその約束を果たす責務を負うことになった。

アナバギャ制度立ち上げの主目的は、家族を養うのに苦労している貧しい人々に無償で穀物を供与することにある。貧困層の人々だけがこの制度の下でコメを手に入れることができる。

受給できる家族の人数に制限はない。各人は毎月1人あたり5キロのコメを受け取ることになる。国民会議派は(社会階層の最下部に位置する)アントヨダヤの家族にそれぞれコメを無償で5キロ配るとの公約を行った。2013年以来、国家食料安全保障省によって供与されている5キロに上乗せされる。

カルナタカ州の190万人のアントヨダヤ・カード保有者、4420万人に対して5キロのコメを配るには22万9000トンが必要となる。インド食料公社(FCI)はこの分量のコメを州政府に売ることを拒絶した。

FCIの拒絶によって、州政府は7月1日のアントヨダヤ・ヨジャナの無償コメ配布計画の開始までに必要量のコメを準備することができなかった。

そのためカルナタカ州政府は、公約していた5キロのコメに替えて、7月1日から一時的に一人当たり毎月170ルピー(2.05米ドル)を支給している。制度開始以来、州政府はこれまでに78万4000人の受給者に4560万ルピーを支給した。

配給金は、世帯主のアアダアル・ナンバー(生体認証ID番号)に関連する銀行口座に振り込まれる。同州には1280万人の配給カード保有者がいるにもかかわらず、現在この制度の対象者は約970万人に過ぎない。

食料・民間供給局の職員(匿名希望)によると、過去3か月間にこの制度を利用しなかったおよそ87万人のカード保有者が受給対象者から外れることになるという。加えて、約210万人のカード保持者は、Aadhaarを銀行口座とリンクさせておらず、銀行口座を持っていない者もいるため、対象外となっている。

この職員によると、銀行口座を持たないか、あるいは、口座があってもそれがアアダアル・ナンバーと紐づいていないカード保有者の場合、その名前が公定価格店の店頭に張り出されることになるという。また州政府は、アアダアル・ナンバーの取得や郵便局での口座開設も支援するという。

主要なコメ産地であるカルナタカ州は40年にわたって食料自給を実現してきたが、だからと言って食料安全保障が確保されているわけではない。食料が多くても、飢餓は続いている。

2019年から21年にかけての全国家族健康調査(NFHS)によると、インドの子どものうちかなりの部分が食料不足に直面しており、その発達と将来の健康が危ぶまれている。インドが持続可能な開発目標の第2目標(飢餓の撲滅)を達成するには、食料不足を解消し、すべての人々が栄養充分な食べ物を安価で入手できるような戦略的な取り組みを進めねばならないと専門家らは指摘している。

カルナタカ北部バガルコットのバサマ・ゴウダーさんは、アナバギャ制度によって家族を飢餓から救うことができた。バサマと夫は2人の子を抱え日雇い仕事に従事しているが、この制度によって夫婦は生活費を浮かすことができた。降雨量が十分でないため、小さな土地を所有しているこの夫婦は十分な収穫を得ることができなかった。その結果、二人は不安定な日雇いの仕事に毎日出かけている。

「アナバギャ制度によって、1日2回の食事をするためのコメが手に入る。」とバサマ・ゴウダーさんはIDNに語った。コメ購入の補助金は有益であり、コメの品質を選ぶことができるようになったと感じている。「以前は配給システムでコメを手に入れるだけだったので、他に選択肢がなかった。」

彼女は、米の代用品として支給されるお金が役に立ち、米の品質も選べるようになったと信じている。「以前は、他に選択肢がなかったため、公共配給システムを通じて配給される米の質に甘んじていました」と彼女は付け加えた。

カルナタカ州のM・T・レジュ食料農業長官は、この制度によって貧困層を飢餓から救うことができたと語った。「食料安全保障の目標は達せられた」。7月の制度創設以来、州政府は補助対象者の8割に対して支援を行い、8月末には100%に達する見込みであるという。

初の食料購入支援金

これは、穀物購入のために現金が支給された初めてのケースではない。しかし、食料購入のための資金移転に関して言えば、南アジアでは初のケースだ。データクリーニングや認証によって透明性を向上させる多くの取り組みがなされている。レジュ長官はさらに、国家食料安全保障法に規定されているように、資金移転が女性の名において行われている点が重要だと述べた。「制度の捕捉率はきわめて高く、官民ともに受け要られている証拠だ」とレジュ長官は語った。

カルナタカ州政府のラクシミ・ヘバルカー長官は、州政府は詐欺口座やその他の違法行為を探知するソフトウェアを稼働する一方、受給者は配給カードの情報をアップロードして支援を得るようになっている、と述べた。

クダラサムガマのギータ・ヒーレムットさんは、以前は義理の両親と共同生活をしていたという。彼女と夫は仕事を求めてウドゥピに移住した。しかし彼女は、義理の家族と共同の配給カードを持っていたためにその情報をアップロードすることができず、無償のコメを手に入れられなかった。そのため彼女は、夫と自らの収入の中から食費を捻出せざるを得ない。

また、カルナタカ州バタカルの別の住民ラクシミ・ナイクさんは、個々人がもらえるコメの量に満足している。彼女は、自身と夫、息子、義理の娘、娘の5人家族で月に50キロのコメを手に入れることができるが、これは生活するのに十分な量だ。「コメは満足のいく品質で、調理には最適。時には、余ったコメを使ってドサやイドリ(インドのよくある朝食メニュー)を作る」とナイクさんは語った。

石工の助手として働くシヴァンナ・コテカルさんは、自分と妻、2人の子供、そして母親全員が給付金を受け取ったと語った。「残りの5キロの米を、食料品店で買うために使っています。この制度は非常に役立っています」と彼は付け加えた。

アナバギャ制度のためのコメ供出を拒絶されたとカルナタカ州政府から非難された「ユニオン・フード」社のサンジーブ・チョプラ氏は、コメであろうと小麦であろうと余剰の穀物はカルナタカ州だけではなくすべての州で共有されるべきものだと声明で反論した。

「およそ3600万トンのコメが(受益者に無償でコメを配給する改正国家食料安全保障法を意味する)マントリ・ガリーブ・カルヤン・アン・ヨジャナ(Mantri Gareeb Kalyan Ann Yojana)によって配給されている。すべての州が、公的配給システムのために、中央が供給する以上の米を要求し始めたら、その総量は7200万トンになるが、穀物の備蓄は5600~5700万トンしかない。」とチョプラ氏は指摘した。(08.21.2023) INPS Japan/ IDN-InDepthNews

 

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