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|ジンバブエ|家禽・家畜の飼育で気候変動を生き延びる

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【ハラレIDN=ファライ・ショーン・マティアシェ】

10年前、ピーター・マンガナさんの作物は干ばつにやられてしまい途方に暮れた。ジンバブエ南部ムウェネジ郡のバシキティ村で彼は家族を養うのに苦労していた。

49歳のマンガナさんはのちに、自身の問題は気候変動が原因であることに気づき、生きるためにもっと賢くならなければならない、と考えた。

ムウェネジ開発研修センター(MDTC)などの地域の非政府組織の支援を得て、彼は家禽の飼育と干ばつに強い伝統的な穀物の栽培に乗り出した。

家禽飼育や干ばつに強い作物の栽培は今回が初めてではない。しかし彼は、最小限のことしかしてこなかったので、地域で気候変動に対処するためにそれが重要であることに気づいていなかった。

知識とスキルを身につけたマンガナさんはいま、家畜の飼育とミレット(雑穀)やナッツ、カウピー(ササゲ)、バンバラ豆などの伝統的な穀物の栽培に全力投入している。

「20羽の放し飼いのボシュベルド鶏から始めました。鶏を飼うのは初めてです。鶏を飼っておくといいとアドバイスされました。餌の与え方やワクチン接種の方法、また、市場とのつながりについても教えてくれました。卵や鶏肉を売って生計を立てられるとは、それまで考えたこともありませんでした。今では村には、生産者が少額で利用できる孵化施設もあります。」とマンガナさんは語った。

孵化施設の利用料は施設修繕の際に使用されることになるという。

気候変動

ジンバブエは過去10年間、気候変動の影響を受けており、洪水や干ばつが農作物に大打撃を与え、首都ハラレから約464キロ離れたムウェネジ村を含む国中で多くの人々が飢餓に瀕している。

夏には気温が40度を超すこともある。

政府は、エルニーニョ現象により今年は干ばつが起きる可能性があると農民に警告している。

2023~24年の農期には雨が降る時期が遅れる可能性があり、マタベレランド地方の家畜は脱水症状と飢えで死んだ。

マンガナさんは、自身の畑で取れた穀物を鶏に飼料として与える予定だと語った。

「畑で採れたものを鶏にあげるから、飼料を買う必要はありません。畑の作物をカルシウムから脂質、ビタミンなど、すべての栄養素を摂取できる飼料を使うようにしなければなりません。」

「餌やりはきわめて重要です。餌を正しく与えれば、卵の殻は固くならず、孵化しやすくなります。通常だと卵は1週間でかえります。たとえば、ナッツやヒマワリなら脂質が取れるのです。」

「家畜飼育において、手元で利用可能で効果的な資源を使うことでコストを最小化することが重要です。」と、マンガナさんは語った。

「私は獣医からワクチンを購入していますが、放し飼いのボッシュベル鶏へのワクチン接種には、土着の知識を利用しています。土着の樹木の樹皮を水と混ぜて、ウイルスを治療する溶剤を作るんです」とマンガナさんは語った。

ミレットのような伝統的な穀物は干ばつに強く、農家は雨が降っても豊作になる。

伝統的作物

ジンバブエ政府は全土で伝統的作物を育てることを推奨している。また、零細農家に対しては、伝統的な農作物に関する知識や技術的アドバイスまで提供している。

政府は、2023年12月にドバイで開かれた国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)のジンバブエパビリオンで、同国の伝統的な穀物を展示した。

気候変動に強いこの農業は、ジンバブエ国民に十分な食料を供給する上でカギを握っている。

マンガナさんは、当初はボシュベルド鶏20羽からスタートしたが、現在では100羽を飼育している。ひよこや卵、鶏を同業者や村人に売り、町の市場で売ることで生計を立てている。

「鶏は6カ月から7カ月になったら売れます。そのお金で家族に必要なものを買います。干ばつの時も鶏の収益が役に立ちます。学費を払ったり、学校に通う子供たちの文房具を買ったりしています。」とマンガナさんは語った。

「家族には育てた卵や鶏も提供できます。このプロジェクトのお陰で腹をすかして眠りにつくことはなくなりました。」

マンガナさんの取り組みは、米国国際開発庁(USAID)が世界食糧計画(WFP)を通じて資金提供し、ムウェネジ、マスビンゴ、チレジの各地区でMDCTなどのさまざまなNGOが実行する「ザンブコ生計プログラム」と呼ばれる事業によって支援を受けている。

ムウェネジ県バシキティ村の零細農家、エニタ・チマンゲさんは、「干ばつの時期には家禽や家畜の飼育でなんとかやりくりできています。」と語った。

47歳になるチマンゲさんは、農民仲間と研修ワークショップで得た知識をもとに、高層のヤギ用シェルターを建設した。

「かつてこの地域では、夜間にハイエナがヤギを食い荒らすという問題がありました。でも、安全なシェルターができたので、それは過去の話となりました。」「今では家族の食料や衣類といった必需品を買うためにヤギの一部を売って現金を得ています。」と、20頭以上のヤギを飼っているチマンゲさんは語った。(2.09.2024) INPS Japan/ IDN-InDepthNews

*ボシュベルド鶏は、南アフリカで開発された耐病性に優れ、厳しい環境でも生き残ることができる鶏の品種。

 

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