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Display of the CARICOM Declaration on autonomous weapons systems. From right to left: H.E. Maritza Chan Valverde, Ambassador, Permanent Mission of Costa Rica to the United Nations; Hayley Ramsay-Jones, Geneva Director, Soka Gakkai International Office for UN Affairs; Callixtus Joseph, Regional Crime and Security Strategy Coordinator, CARICOM IMPACS and Isabelle Jones, Campaign Outreach Manager, Stop Killer Robots. Source: CARICOM

カリブ諸国、「殺人ロボット」禁止へ

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【ディエゴ・マーティン(トリニダード・トバゴ)IDN=ピーター・リチャーズ】

カリブ諸国が、「殺人ロボット」とも呼ばれる自律型致死兵器システム(AWS)の禁止に向けた意思を鮮明にしており、15カ国から構成されるカリブ共同体(CARICOM)で共通の方針を策定しようとしている。

AWSは、人工知能を使って人間の介入なしに標的を特定し、選択し、殺害する兵器システムである。カリブ海地域、特に殺人事件の急増に悩むジャマイカ、トリニダード・トバゴ、バハマにとって、AWSはきわめて大きな課題となっている。

メラニー・レジンバル国連軍縮部ジュネーブ事務所長は、この目的は、法律が検討され研究され始めている枠組みを理解することだと述べた。

「この場合、これは特定通常兵器に関する条約であり、条約未加盟のカリブ諸国を条約に加盟させることがここでの目的だ。」とレジンバル所長は語った。

トリニダード・トバゴのリージョナル・アーマー法務長官は、アルゴリズムによって駆動し増殖しつつある自律型兵器を規制する立法についてキース・ロウリー政権に勧告する予定であると示唆している。

「もし私の勧告が受け入れられれば、まずは法改革委員会がこれに検討を加え、立法の参考に供されることになろう。」とアーマー長官は語った。

しかし、トリニダード・トバゴだけがこのような動きに出ているのではない。9月5・6両日にポート・オブ・スペインで開催された「特定通常兵器に関する条約の普遍化」に関する会議で、バルバドスやベリーズなどのカリブ諸国が、AWSは、多くの利害関係者による慎重な検討と討論を必要とする「複雑で物議を醸す問題」であると認識しているとの見解が示された。

たとえばバルバドスは、これらの兵器には軍事上の利点をもたらす可能性があるが、その採用には倫理的かつ実際的な重大な懸念も生じると指摘している。

カリブ海諸国の政府高官、国際機関、技術専門家、学界、市民社会組織のメンバーが一堂に会した会議で、バルバドス政府は、「自律型致死兵器をめぐる主要な問題のひとつは、戦闘における重大な意思決定において人間の関与が及ばなくなる可能性があるということだ。」と語った。

ベリーズはすべてのCARICOM加盟国に対して、AWS禁止条約の交渉プロセスを開始するよう求め、「人権を守り、人間の安全を確保し、国際の平和と安全に貢献する基本的責務が我々にはある。」と指摘した。

「ベリーズは、AWSに関して、カリブ地域や国際社会と人道・法律・安全保障面での懸念を共有している。したがって、我が国は、国際法の普遍的な原則と規範に則ったAWSに関する地域的立場に関する宣言を支持する用意がある。」

カリコム犯罪・安全保障問題実施機関創価学会インタナショナル(SGI)、英国の「ストップキラーロボット」が共催した会合での発表で、トリニダード・トバゴは、自律型兵器の無差別使用の可能性によって民間人の生命にもたらされる甚大な脅威を認識し、民間人を保護するために、人間による意味のある管理を維持する必要性を支持すると語った。

「トリニダード・トバゴは、これら兵器が恣意的かつ無差別的に重大な負傷や破壊、生命の喪失をもたらす危険性を強調し、したがって、自律型兵器システムを禁止・規制する新たな法的拘束力のある協定の採択を支持することをあらためて表明する。」

ストップキラーロボット」のキャンペーン・アウトリーチ・マネージャーであるイザベル・ジョーンズは記者団に対して、この10年間国際社会で議論が続いてきたが、「自律的な兵器システムがますます利用され開発されるようになってきており、これは政治指導者や諸政府、国際社会にとって本当に緊急で差し迫った問題だ。」と語った。

SGI国連事務所ジュネーブ連絡所のラムゼイ=ジョーンズ所長は、仏教の理念に基づいて平和、文化、教育の促進に取り組むNGOとして、「私たちは人間の尊厳を信じ、生と死の決定を決して機械に委ねるべきではないと考えている。」と語った。また、「規制がなければ、非国家主体を含め、自律型兵器が世界的に拡散し、地域的に犯罪を増加させ、社会的不平等を悪化させ、各国の資源やインフラを圧迫し、社会や国家の安全を毀損する可能性がある。」と指摘した。

今回のワークショップでは、法的拘束力のある文書を求める声が、90カ国以上、国連事務総長、テクノロジーと人工知能の専門家、宗教指導者、そして世界中の市民団体によって支持されていることが報告された。

討論を締めるにあたって、会議の参加者らは「自律型兵器システムに関するCARICOM宣言」を採択し、国際法を遵守するためにAWSに関する法的拘束力のある措置の合意をあらためて呼びかけ、AWSに関する国際協定とその後の国内立法を協議する際に人間や社会を考慮に入れる必要性を強調した。

宣言は、「戦力の使用に対する人間による意味のある規制が不可欠であるとの認識を支持し、それによってAWSの禁止・規制を盛り込んだ国際的なな法的拘束力のある文書の追求を奨励する」という決意に言及している。

また、AWSに関する法的拘束力のある国際協定創設を最優先し、「不拡散、非国家武装集団やテロリスト集団を含む非国家主体への転用リスク、法執行や国境警備を含む国内の安全保障に対するAWSの課題に関連する問題を考慮する」ことで、関連するすべての適切なプラットフォームを通じて統一した立場を維持することに合意した。

また、カリコム犯罪・安全保障問題実施機関などの関連主体が、AWSに関して合意された立場を促進すること、そして、人種や民族、国籍、階級、宗教、性別、年齢などの属性を基にしたデジタル差別の問題も含め、拡散の危険、意図しないエスカレーション、倫理的考慮、デジタルの非人間化、AWSに関連したその他の人間・社会的意味合いを諸国が認識すべきことを約束した。

宣言は、カリコム加盟国が「自律型兵器システムに関する多国間協議に有意義に関与し、カリコム諸国の脆弱性を増大させる可能性のある技術格差のギャップを埋める」ことができるようにするため、国際機関、開発パートナー、民間セクター、学界、その他関連する利害関係者に対し、財政的・技術的援助と能力構築のイニシアティブに貢献するよう求めている。

(09.28.2023) INPS Japan/ IDN-InDepthNews

※著者は、セントルシア生まれのカリブのジャーナリストであり、カリブメディア社(バルバドス)の上級編集者である。

 

 

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